なんとなく、ゆりは「およめさん」になるんだと思ってた。

　本人の根拠のない希望通り、「およめさん」になるんだと思ってた。
　高校生になってからコロコロに太っってしまったゆりとか、そんなものを想像してた。
　コロコロに太っても、相変わらずダメ子のままだったりとか、そんなゆりを想像してた。
　そんなゆりを想像して、なんとなく満足してたりした。

　誰だって大人になる。
　ゆりの場合、大人以外のものになってしまう可能性すらあったわけだが、とにかく。
　ゆりだって大人になる。

　１８歳。大人としてはほんのいりぐちで、まだまだ先はわからない。
　だけど、がんばれ。
　ゆり。がんばれ。

優秀な友達がそばにいることがゆりの幸運でしたね。
そんな友達がエイリアン絡みでそばにいることがゆりの不運でしたね。

自発的になにかするでもなく、周囲の状況にながされてばかりの「あまりにも普通」の子の、「およめさん」という希望をその消極性の象徴とみるなら、
頼りになりそうな先輩に誘われるまままたエイリアン対策に奔走するのも一種「およめさん」みたいな境遇かもしれない。がんばれ!

ゆりが頼りになる共生相手に恵まれますように。